首都圏若者
サポートネットワークとは

首都圏若者サポートネットワークとは

児童養護施設や里親など、なんらかの事情があって「社会的養護」と呼ばれる公的な支援のもとで育った子ども・若者たちが、社会のなかでみずからの力を発揮して生きていくことを応援する民間のネットワークです。

困難を抱えた当事者の子ども・若者に対して、一対一で継続的な支援(=伴走型支援)をおこなう「伴走者」をはじめ、子ども・若者の支援に携わるさまざまな団体・個人、協同組合、学識者などが連携をとり、①基金造成 ②助成金給付 ③就労・キャリア支援 ④調査研究・政策提言の4つの事業をとおして、子ども時代につらい経験をした子ども・若者たちをサポートしていきます。

設立の目的

児童養護施設や里親など、「社会的養護」と呼ばれる公的な支援のもとで育つ子どもたちは、日本だけで約4万6千人います。彼らのなかには、幼いころに虐待をはじめとしたつらい経験をしている人も多く、生きるうえでの困難を抱えていることが少なくありません。そのため、ひとりひとりの個性や実情にあわせた丁寧なサポートが必要となります。

しかし、18歳になると彼らは、施設や里親家庭を出て自立することが求められます。また、何らかの事情により、18歳を前に社会的養護の環境から出ていく子どもたちもいます。

18歳前後の若者が大人たちのサポートなしに自立するには、多くの困難があります。子ども時代のつらい経験がある若者ならばなおさらです。しかし、より困難な状況にあればあるほど、既存の制度では対応ができず、伴走者たちの持ち出しによって支援がおこなわれているのが現状です。

子ども時代につらい経験をしたのみならず、自立においてもさまざまな困難を抱える子ども・若者たちを、彼らに寄り添って活動する伴走者たちへのサポートを通じて応援するべく、このネットワークは立ち上がりました。

発起人メッセージ

宮本みち子

首都圏若者サポートネットワーク運営委員長
(放送大学名誉教授、千葉大学名誉教授)

「失われた20年」の間に、子どものいる現役世帯の平均所得は100万円も下がり、子どもの教育費に事欠く世帯が増加しています。日々の暮らしに追われ社会的にも孤立しかねない家庭や、社会的養護のなかで育った子どもたちは、誰の助けもなしに自立しなければならない厳しい現実に直面しています。

子どもたちは良い環境に恵まれれば大きな力を発揮します。子どもたちはこの社会の貴重な資源です。しかしそのためには、「私たちの子ども」という暖かいまなざしをもって育ちを支援する社会であることが必要です。私たちはそのような社会をめざし、その一旦を担おうとしています。みなさまのご支援をお願いします。

村木厚子

首都圏若者サポートネットワーク運営委員会顧問
(元厚生労働事務次官)

少子化が大きな課題だと言いながら、私たちは生まれてきた子どもをちゃんと応援できているでしょうか。子どもは、その個性も育った環境も夢も一人一人違います。とりわけ厳しい環境で育った子どもには、丁寧な支援が必要です。

今、そんな子どもたちの支援を、児童養護施設やNPO法人などの心ある人たちが続けていますが、新しい支援、難しい支援、柔軟な支援であればあるほど、「制度」がそれをカバーしきれません。こうした支援は、心ある人たちのいわば「持ち出し」の資金と情熱で成り立っているのが現状です。どうか、こうした先駆的な支援を支え、制度として育てるために、皆さんのお力を貸してください。

4つの事業

首都圏若者サポートネットワークでは、困難を抱えて生きる社会的養護のもとで育った子ども・若者たちを応援するために、次の4つの事業に取り組んでいます。

  • 基金造成(若者おうえん基金)

    「若者おうえん基金」を立ち上げ、困難を抱えて生きる子ども・若者たちのサポートに使うことができる基金の造成に取り組みます。ご支援(寄付)をお考えの方は、こちらをご覧ください。

  • 助成金給付

    困難を抱えた子ども・若者に寄り添って伴走型の支援をおこなう伴走者たちへ助成金給付をおこない、子ども・若者たちが信頼できる大人と共に自立に向けてあゆむ後押しをしていきます。助成をご希望の方は、こちらをご覧ください。

  • 就労・キャリア支援

    働きたい若者たちと働く先とのマッチングをおこないます。就労体験からはじまる、ステップを踏んだ無理のないマッチングをめざします。

  • 調査研究・政策提言

    助成先の支援者への調査などを通じて、若者たちの困難の実態と必要な支援について研究します。また、研究成果をふまえた、政策提言もおこなっていく予定です。