首都圏若者サポートネットワーク運営委員会(東京都港区、委員長 宮本みち子)は、若者の伴走者支援に特化した助成制度「若者おうえん基金」の第3回公募選考の結果、東京都、神奈川県、埼玉県で活動する14団体(15件)へ、総額19,215,200円の助成を決定いたしました。
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首都圏若者サポートネットワーク運営委員会は、児童養護施設や里親家庭など、なんらかの事情があって公的な支援のもとで育った子ども・若者たちが、社会のなかでみずからの力を発揮して生きていくことを応援する民間のネットワークです。子ども時代につらい経験をした若者たち、そして彼らに寄り添って伴走型の支援をおこなう伴走者たちを、市民や民間団体の力を集めてサポートしていきます。
このたび、21件の応募があり、有識者5名から構成する選考委員会による選考の結果、若者支援に取り組む団体14団体(15件)へ、総額19,215,200円の助成を決定しました。助成が決定した団体には、これからも中長期的に、若者の就労を後押しする新たな体制づくりや支援の仕組みを考え、更なる発展に取り組んでいただきたいと考えております。
第3回若者おうえん基金 助成団体一覧
※敬称略
○伴走支援枠
助成先団体 | 都道府県 | 助成内容 | 助成額 |
自立援助ホームフィオーレ | 埼玉県 | 自立援助ホーム退所後に生活が行き詰まってしまった若者への伴走支援。住居支援の初期費用を助成し、病院への通院や、金銭管理の支援を行い、自立に向けた支援を行う。 | 78万円 |
一般社団法人Masterpiece | 東京都 | 親からの身体的・精神的虐待により、2歳から18歳まで施設で生活をした児童への伴走支援。資格取得のための学費を助成金で補助する他、精神科に通院する対象者のメンタル面のサポートを行う。 | 75万円 |
自立援助ホーム home | 神奈川県 | 自立に困難を抱える施設退所児童(主に支援対象者4名)に、安心して共に生活、あるいは生活の一部を支援者と共にすごせる場を提供する。支援スタッフが居住し、随時対応できる環境を整え支援を行う。 | 150万円 |
NPO法人神奈川子ども支援センターつなっぐ | 神奈川県 | 性被害から避難をしている児童2名への伴走支援。大学の学費の一部補填や、参考書の購入費などを助成。緊急支援終了後も定期的に連絡を取り長期的に伴走支援を行う。 | 35万円 |
カリヨンとびらの家 | 東京都 | 親からの虐待から逃れ、自立援助ホームに入所した児童に対する学習支援費用への助成。成績優秀で上位大学を目指す児童へ大学進学後の一人暮らしに向けて伴走支援を行う。 | 90.22万円 |
マラナ・タ ハウス | 東京都 | 自立援助ホーム退所後に生活が行き詰まってしまった若者への伴走支援。当面の住居費用や病院への付き添いの支援を行い、自立に向けてサポートする。 | 118.5万円 |
経堂憩いの家 | 東京都 | 退所後再び支援が必要になった3名への伴走支援。新型コロナにより収入が減少した学生への学費支援や、定期的な面談による伴走支援のための費用。 | 35.8万円 |
合計 | 582.52万円 |
○先駆的実践枠
助成先団体 | 都道府県 | 助成内容 | 助成額 |
認定NPO法人 みらいの森 | 東京都 | 児童養護施設で暮らす高校生に向けた「リーダー実習プログラム」卒業生のネットワーク構築。卒業生同士がお互いを支え合い、必要に応じてスタッフやボランティアの支援を受けられる居場所を確立する。 | 140万円 |
一般社団法人Masterpiece | 東京都 | 社会的養護を巣立った若者向けに、空き家をリフォームしたシェアハウスを新規開設する事業。生活困窮や孤立などの課題を抱える若者の衣食住を支援する。 | 250万円 |
自立援助ホーム Cape Diem | 埼玉県 | 自立援助ホームの入所児童が一人暮らしを1~3ヶ月ほど体験するステップハウスを運営する事業。施設退所前に一人暮らしをすることで、自立に向けた課題などを体験する。 | 99万円 |
特定非営利活動法人プレイグラウンド・オブ・ホープ | 東京都 | 社会的養護経験者に対し、「実社会生活訓練プログラム」を提供する事業。在学中からの職場見学や、自立生活をしながらの 1 年間のトライアル就業を行い自立に向けた支援を行う。 | 200万円 |
特定非営利活動法人フェアスタートサポート | 神奈川県 | 児童養護施設等で生活する児童に、職業適性検査や会社見学、就労体験等の機会を提供。自身の興味や適正を十分に加味した就労を支援し、就職後の定着支援も実施することで離職率の低下に繋げる。 | 200万円 |
一般社団法人 青少年自助自立支援機構 | 埼玉県 | 高年齢で保護され、公的サポートが不十分なまま自立を迫られ生活困窮に陥っている社会的養護出身者に対し、それぞれの特性に合わせたパーソナルな就労前訓練プログラムを実施。 | 290万円 |
特定非営利活動法人 パノラマ | 神奈川県 | 校内居場所カフェの卒業生に対する、LINEを利用した相談支援体制を構築し、アウトリーチを介した相談伴走支援を行う。事例の分析・検討を行い社会に発信をする。 | 110万円 |
NPO法人学生支援ハウスようこそ | 東京都 | 児童養護施設等を退所した学生向けシェアハウスの新型コロナ感染対策費用を助成。感染症対策の担当職員を配置する人件費や、マスク、消毒液などの購入費。 | 50万円 |
合計 | 1,339万円 |
制度の概要
名称 | 若者おうえん基金 |
実施運営 | 首都圏若者サポートネットワーク運営委員会 |
主旨 | 若者おうえん基金助成は、社会的養護の下に暮らす(暮らした)子どもたちをはじめ、社会的自立が困難な状況に置かれている若者たちの多様な自立を支援する目的の助成事業です。 そのような若者への支援を、埼玉県、東京都、神奈川県内で行う「伴走者」を対象に、「若者おうえん基金」から助成金の給付をおこないます。 伴走型支援の経費補助を目的とした「伴走支援枠(上限150万円)」と、より広範な支援事業の補助を目的とした「先駆的実践枠(上限300万円)」の2つの助成枠を設けています。 |
助成総額 | 19,215,200円 |
応募方法 | 公募方式(募集期間:2020 年 9月1日 ~ 11月30日) |
選考について
【 一次審査 】 書類選考 【 二次審査 】 面接
選考委員が必要性、信頼性、緊急性、寄り添い度等のの評価基準で採点評価を行い、その点数を踏まえて、選考委員の合議の上で決定しました。
【 選考委員会 】
委員長 小木曽 宏 氏(東京経営短期大学)
委員 朝比奈ミカ (中核地域生活支援センターがじゅまる)
伊藤由理子 (生活クラブ連合会)
岡本正 (弁護士)
日野原雄二 (特定非営利活動法人埼玉県相談支援専門員協会 代表理事)